岡寺
















【仁王門】

                   

岡寺に詣でるには、急勾配の坂道を徒歩で10分余り登らなければならない、やがて朱塗りの仁王門が現われる。(タクシーは仁王門前までOK)

寺名は、「岡寺」、「龍蓋寺」の二つあるが、「岡寺」は明日香村の岡山に建立されており、地名「岡山」に由来するらしい、正式名称は『東光山 真珠院 龍蓋寺』で真言宗の古刹である。

現在は「岡寺」の呼称が一般的であり宗教法人の登録名も「岡寺」である。仁王門前の石標柱は「岡寺」と彫られているが、仁王門に掲げられて扁額は「龍蓋寺」と書かれている。

開基の時期は明らかでないが、『醍醐寺本諸寺縁起集』の龍門寺(吉野郡にあった寺)の条の天禄元年(970)に龍門・龍蓋両寺別当補任の太政官符に「件両寺、故義淵僧正、奉為国家龍泰藤氏栄昌、所建立也」とあり、義淵僧正が建立したことになっている。【参考:『岡寺の霊宝』】

仁王門(重要文化財)
急坂の参道を登り切ったところに西向きに建っている。本瓦葺、入母屋造、3間1戸の楼門形式。
下層は桁行3間、梁間2間。正面両脇に仁王像安置。
上層は柱間を下層より稍狭くし、組物は2手先(尾垂木なし)軒は扇垂木(唐様)
慶長17年(1612)の建立。

本堂(
境内東方に建つひときわ大きく、唐破風付の豪壮な建物である。

本瓦葺、桁行3間(柱間はかなり広い)、梁間5間。堂内は外から順に、1間の拝所、2間の外陣、2間の内陣に区画されている。

本尊は2臂如意輪観音坐像(重要文化財)、塑像、像高460㎝、国内最大の塑像である。一般的には、如意輪観音は6臂の坐像であるが6臂像は珍しい。

三重塔
本堂の西南、小高い場所に建っている、文明四年(1472)大風で倒壊して以来150年余り再建されなかったが、昭和61年(1986)弘法大師1500年御遠忌記念事業として再興された。建ってから30年弱しか経っていないため、見た目新しく軽快な感じの塔である。

十三重石塔
本堂の南西、龍蓋池の右上にある。
軸部に弥陀(キリーク)の種子を刻む、笠の形などからみて近世の作か。
龍蓋池
立札によれば、「その昔、飛鳥を荒らす悪龍を義淵僧正が法力で石の蓋をもって池に封じ込め改心させる。龍は善龍となり今もこの池に眠る。この池を龍蓋池と名付け龍蓋寺(岡寺)の始まりとなる」と書いてある。
開山堂
本堂の向かって左側に建つ。堂内には阿弥陀三尊が安置されている。
明治7年(1874)に多武峯妙楽寺(現・談山神社)の護摩堂を移築したものと伝わる。江戸時代の建築。
                                 

                                
訪れた時は、シャクナゲの最盛期で参道の両                                
側に咲き誇っていた。






   
   
   

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