毛利家本邸と毛利庭園



近代和風建築の粋を集めたとされる毛利家本邸は、多々良山の南麓に1,200坪を誇る豪邸である。,時の内務大臣井上馨によって、現在の地(防府市多々良)に建設が決まり、大正元年(1912)着工、5年の歳月を経て大正5年(1916)完成した(井上馨は1914年に亡くなっており完成した姿は見ていないことになる)。

本邸表門毛利家本邸



















パ-キングから松並木の路を進むと豪快な表門に突き当たる。両袖に石垣を設けた本瓦葺の薬医門である。 本邸は、唐破風付の車寄せ付玄関をもち、正面から眺めると多々良山を背景に一服の絵画を見るようである。前庭には、大きな山桃、松、さつきつつじ等と灯籠を配した島がある。
本館中庭




















木造2階建ての本館は、木造2階建、入母屋造、桟瓦葺である。玄関を入って右に折れると大広間(客殿)である。中庭を囲む形で大広間、控えの間、当主の居間などが配されている。説明(館長の)によれば、部屋の床板、廊下などは欅材で、仕切り戸は神代杉の一枚板とのことである。

1階大広間、最奥の部屋は、和風造作の粋を集めた大きい床の間と違い棚がる。床は、唐木3大銘木の一つ云われる「鉄刀木(タガヤサン)」の一枚板とのこと。
唐木3大銘木(3→2→1の順で硬い木)
 1・紫檀(したん)…堅い木           
 2・黒檀(こくたん)…極めて重くて硬い木
 3・鉄刀木(たがやさん)…とにかく硬い木
違い棚の「筆返し」(水平面の端から丸い物が転がり落ちないように取り付けたでっぱり)

1階大広間(客殿)に見られた「枕捌(まくらさばき)」(床柱に長押を納める方法の一つで、長押が床柱を巻いて裏側まで届いている納まり方)
2階窓に取り付けられた銅線製の網戸


毛利氏庭園(国指定名勝)・とにかく広い、一目見ただけでは全体の様子が、なかなか確認できない。マップを参考にして眺めれば、ひょうたん型の大きい池を中心とした池泉回遊式庭園あることが分かる。リ-フレットによれば25,000坪である。

本邸2階書院からの眺め遠くに多々良山。
ひょうたん池と四阿、この辺り池に張り出した松
が見事。
ひょうたん池に架かる石橋を渡ると四阿がある。
ひょうたん池東南土手の桜、背景に多々良山。


四季折々に見せる木々の鮮やかさは一段と風情があるとのこと。





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