旧・日本銀行広島支店
所在地 広島市中区袋町5番16号
概要 本館:鉄骨鉄筋コンクリ-ト造、付属棟:鉄筋コンクリ-ト造
三階建、地下一階、陸屋根(傾斜のない平面状の屋根)
設計 長野宇平治(日銀臨時建築部)
敷地面積 1,554㎡ 延床面積 3,214㎡
竣工 昭和11年(1936)8月(2,000年3月まで銀行として使用)
広島市指定重要文化財(2,000年7月25日指定)
本館外観は中央を花崗岩、その他を人造石ブロックで仕上げられている。基礎部のルスティカ積み、正面玄関付近の列柱、飾板など古典主義的意匠が見られる。
原爆・爆心地から380mという近距離にも拘らず、被災にも耐え建築当初の原形を内外ともによく残していて、広島市に現存する建物の中でも保存状態が極めてよい。(参考:説明用正面パネル、フリ-百科事典・Wikipedia)
正面玄関、中央を花崗岩で、他は人造石ブロック仕上げとなっている。
玄関の左右の4本の角柱は基壇の上に建てられたイオニア式(古代ギリシャ建築の列柱様式の一つ、礎盤がつき、渦巻き状の装飾の柱頭をもつ)の角柱である。柱頭の渦巻状の装飾はイオニア式の代表てきな装飾。
正面外壁の装飾
基礎部分はルス7ティカ積み(石造建築で、壁の表面を滑らかにせず目地を際立たせ、荒々しく力強い表情を持たせる持たせる技法)と為っている。
受付カウンタ-は当時のまま残っている、カウンタ-の下部は大理石。 一階天井は吹き抜けとなっており、、天窓で明かりを採るようになっている。現在は天窓は閉じられ、蛍光灯が付いているらしい。
二階支店長室の暖炉、大理石製で流石に豪華である。壁の下部は腰板となっている。
支店長室、原爆投下時の爆風によるガラスの破損でできた傷跡が当時のまま残っている。
1~2階は鎧戸が閉じられていたので、大破は免れたようであったが、3階は鎧戸が開いていたため、爆風火災で被害甚大であった(当時3階には広島財務局が入っており、職員12名が犠牲になったとのことである…設置パネルより)
各部屋をとりまく廊下、パイプラインがむき出しのままになっている。
地下金庫室への階段以外に狭い感じである。 地下金庫室の扉、目測で50~60㎝程の厚み(それ以上?)がありそうである。材料はステンレス鋼かな?
「腐食するので金庫の扉には触れないように」との注意書きあるも、やはり、その光沢・重厚さとメカに魅せられて触れる人がいるのか、僅かに腐食が見られた。関係者が時々磨いているように思われる。
尚、大金庫室は2つ並んでいてそれぞれに同様の扉が付いている。2つの大金庫室には、各々にやや小型の丸扉が付いている。通常はこの扉を開閉していたとのことである。 6月下旬の1日を、恒例の歴史探訪に参加、平和公園、原爆資料館、旧・日銀広島支店を仲間Mさんのガイドで廻った。その中で旧・日銀広島支店が特に印象深くこのペ-ジを記した。
3階の窓、原爆投下時鎧戸が閉められていなかった。3階にいた広島財務局の職員12が犠牲になり、そのうちの一人が猛烈な爆風により、この窓(赤矢印)から吹き飛ばされたことが、最近判明した由。(ガイドMさんの説明より) 吹き飛ばされた人は庭の片隅に落下したとのこと。現在、その場所には慰霊の碑が置かれている(赤矢印)(ガイドMさんの説明より)
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