浄安寺薬師堂
薬師如来坐像






安芸国・石内~利松地区の古代山陽道(影面(かげとも)の道)傍にひっそりと佇む(廃)浄安寺薬師堂の本尊が薬師如来坐像である。(廃)浄安寺の開基、宗派など不明であるが、行き交う旅人や地元の人々の安全や病の回復を願って建てられたという。現在は薬師堂のみが建てられ、地域の人々に守られ信仰を集めている。
薬師堂への小道
 石内公民館前より古代山陽道(県道290原田五日市線)を徒歩10分ほど南下し、右側の小道を上がった所にある。
薬師堂傍のイチョウの大木は、高さ29mもあり広島市の保存樹となっている。
薬師堂
 堂内には、(廃)浄安寺の本尊とされていた薬師如来坐像が安置され、地域の人々に守られ信仰を集めている。
本尊 薬師如来坐像(市重文)
 藤原時代の作。
 像高85㎝、寄木造。
 納衣を偏袒右肩(へんたんうけん)に着けている。
 浅く、流れるような衣文は藤原時代の特徴。
 左手に薬壺、右手は施無畏(せむい)印を結ぶ。
植込み螺髪(らほつ)。水晶の白毫を嵌めこむ。
ふっくら丸顔で、目は彫眼墨書の瞳、目尻と目頭はつり上がり藤原後期の様相を呈す。
吉祥坐で結跏趺坐(けっかふざ)(左足を先に曲げその上に右足をのせる坐法、その反対を降魔坐(ごうまざ)という)
20140106



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