第1術科学校

 古鷹山を背景に、赤レンガの幹部候補生学校(旧海軍兵学校生徒館)をはじめ第1術科学校の主要な建物は、いずれも築後略100年を経た今でも凛とした雰囲気を辺りに漂わせている。初春の一日、自衛官OBのガイド氏の案内で見学した。

・見学者控室(江田島クラブ)

見学者は此処に集合、2Fにある海上自衛隊歴史
ゾーンの展示物(艦艇模型、各種パネルなど)自由に
見学しながら、所定の10:30まで待つ仕組みになって
いる。
10:30丁度に自衛官OBのガイドが来てガイドが始ま
る。
・大講堂

大正6年(1917)の建築。年表によれば平成10年
(1998)に大改修が行われたようで、青空に白色が
映える。

右側の車寄せは高貴門とのことである。建築以来
何人の皇族方が入られたことであろうか。
大講堂正面玄関

講堂内では、入学式や卒業式などの行事が行われる
現在でも約2,000名の収容能力があり、当初と変わっ
ていないとのこと。
・玄関の扉

歴史の重みを感じさせる重厚な扉である。
今までに何人の生徒を迎い入れ、送り出したので
しょうか。
・大講堂内部

スパンの広いドーム型の天井には舵輪型のシャンデ
リア。海自の建物に相応しい。
・大講堂内部

正面玉座の上部に学問の象徴「フクロウ」の彫刻。

赤絨毯は演台に向かって最優等生のみ歩くことが
許される。
幹部候補生学校(旧海軍兵学校生徒館)

通称赤レンガと呼ばれていたこの建物は、明治26

(1893)海軍兵学校生徒館として生活、教育のため
建てられた。

英国人による設計で、使用されている煉瓦は英国
製で最高級のもので、ガイド氏の説明では、現在の
価格に換算すれば一個1万円強もしたらしい。

積み方もイギリス積みとなっている、全てが英国風
の瀟洒な建物である。


正面玄関上部に海自のシンボルマークとも言える
「桜に碇」が金色に輝いている


旧海軍時代のものとデザインは同じのようですが、
若干桜のデザインが違っているようです。
・幹部候補生学校の廊下

建物は長さ144mあり、内に入れず建物の左側から
の撮影である。

真っ直ぐで長い廊下はNHK・TVドラマ「坂の上の雲」
のロケに使用されたとのこと。
・教育参考館

ギリシャ神殿を思わせるこの建物は、兵学校卒業生
と一般企業の寄付で昭和11年(1936)に建てられたも
ので重厚感が漂っている。


館内は、禁煙は勿論、撮影禁止、脱帽である。厳粛な
雰囲気で、東郷平八郎、広瀬中佐、山本五十六の遺
品などに加えて多くの特攻隊員の遺書が展示されて
いて、見学者の注目をあつめている。

いろいろ考えさせられる館である。
・特殊潜航艇「甲標的」

教育参考館の横に展示されている。
旧海軍によって開発され、全長24m、全幅1.85m
全高3.4m,乗組員2名の潜航艇である。

1940年以降量産が始まり、第2次大戦で真珠湾他
で実戦に使用された。


ちょっと悲しい。

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