飛鳥寺・釈迦如来座像
(飛鳥大仏)

飛鳥寺は蘇我馬子が発願し推古天皇4年(596)に創建された日本最初の本格的仏教寺院である。
寺名は「法興寺」或いは「元興寺」である。平城遷都で奈良へ移って「元興寺」と称した。(遷都以前は「本元興寺(もとがんごうじ)」とよばれる)

今は、地名の飛鳥に因み「飛鳥寺(安居院)」の寺名で親しまれている。甘樫丘のすぐ西麓、本元興寺創建当時と同じ場所に建っており、明日香の田園風景によく似合う小さなお寺である。飛鳥大仏(釈迦如来坐像)を安置する本堂と鐘楼が主な建物である。

釈迦如来座像(飛鳥大仏)

銅像、像高275㎝、飛鳥時代の作。
右手は施無畏印、左手は与願印を結び、台座(石造)に結跏趺坐している。

十二世紀末の火災による損傷大きく、後補の痕により満身創痍の痛々しい姿であるが、
・面長で、杏仁様(アーモンド形)の大きい目・口元に、ほのかな微笑み(アルカイックスマイル)を浮かべる。
・頸は円筒形で長く、三道を表さず(三道のように見えるのは後補の痕)
・通肩に納衣を着け、胸部V字に開けた下着で帯の結び目を表す。
これらの像容は飛鳥時代の特徴であり、原形をほとんど留めていないとされているが、当初の形に忠実に後補されているようである。

鞍作鳥(鞍作止利)による造仏。
1973年奈良国立文化財研究所の調査によれば、頭部の額から下、鼻から上の部分と右手の第2~第4指が当初の部分であるとのこと。【参考:Wikipedia】

同寺には他に、寺宝として、阿弥陀如来座像、聖徳太子孝養像などが安置されている。







     木造阿弥陀如来座像、藤原時代                木造聖徳太子孝養像、
                                          室町時代



このページに掲載の仏像写真は、飛鳥寺住職の了承を得て掲載しております。快く了承いいただき感謝。 140428




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